「アッバツィア・ディ・サンガルガーノ」屋根のない修道院 イタリア

カンポ広場で有名なシエナの町から少し足を延ばすと、そこには絵画のような本当に美しいトスカーナの風景が広がります。この一帯は、オルチャ渓谷と呼ばれその美しさから2004年に世界遺産にも登録されました。そんな美しいトスカーナの風景の中に、屋根のない修道院「アッバツィア・ディ・サンガルガーノ」があります。12世紀後半に建てられたこの建物はその後歴史とともに衰退し、現在のような屋根の抜け落ちた廃墟となりました。神話の中に入り込んだような、不思議な錯覚に陥り、その美しさに心を揺さぶられます。そして、この修道院の名前にもなった聖人ガルガーノの聖剣伝説も観光の魅力の一つです。歩いてすぐの丘の上の教会に、当時ガルガーノが岩に突き立てたという剣が今でも残っています。自分の信仰心を表明するために、刺さるはずもない硬い岩に突き刺した剣。岩の奥まで突き刺されたガルガーノの剣は今でもミステリーなのです。